After Effectsを使っていると、「ヌルオブジェクト」という名前の謎キャラが登場します。
これ、なんだか地味だし、しかも「ヌル」って響きも…💦
何の役に立つの?と思うかもしれませんが…実はめちゃくちゃ便利な『見えない司令塔』なんです!
「null」「ヌルオブジェクト」とは?
「null」とは、プログラミングやデータベースで使われる用語で、
「何も存在しない状態」「値が無い状態」を表します。
そしてAfterEffectsでいう「ヌルオブジェクト」とは、一言で言えば「見えないけど動かせるレイヤー」です。
映像としては何も表示されません。
でも、位置や回転、スケールを自由に操作でき、他のレイヤーと同じようにタイムラインで動かすことができます。
まるで幽霊のような存在ですが、この「見えない」特性こそが、強力な武器になります。
親子関係で大活躍!
After Effectsでは、レイヤー同士に「親子関係」を設定することができます。
「親レイヤー」を動かすと、その「子レイヤー」も一緒についてくる、という仕組みです。
ここでヌルオブジェクトの出番!
例えばこんなシチュエーション:

ヌルオブジェクトの活用例
- チェックテキスト、ロゴ、アイコンなど5つのレイヤーがあって
- それぞれに細かいアニメーションを設定しています
- それら5つのレイヤーをまとめてアニメーションさせたい
そんなときは、ヌルオブジェクトを1つ作り、親に設定するだけ。
あとは親のヌルを動かせば、子どもたち(レイヤー)は自動的に一緒に動いてくれます。便利すぎる!
モーショングラフィックス&カメラワークでも大活躍!
ヌルオブジェクトは、モーショングラフィックスの分野では特に大人気。
例えば:
回転する円形メニューや、オブジェクトが規則的に動くようなアニメーションを作るとき、
「回転の中心」としてヌルを使うと、すごく編集しやすくなります。
また、3Dレイヤーやカメラを使うときにもヌルは強い味方です。
カメラの動きをヌルに割り当てておけば、あとからカメラの位置や角度を調整したくなっても、
ヌルを動かすだけで自在にコントロールできます。
エクスプレッションとも相性抜群!
少し上級者向けですが、エクスプレッション(スクリプトによる制御)との組み合わせも強力です。
「このヌルの位置に追従する」などの設定をすれば、複雑な連動アニメーションも簡単に実現できます。
名前は地味でも、実力はスゴイ!
名前が「ヌル(無)」なせいで、モブキャラと思われがちな、ヌルオブジェクト。
でも実際は、プロの現場でもバリバリ使われているスゴ腕の黒子(くろこ)なんです。
見た目はゼロ。でも、使いこなせば、あなたの映像制作がレベルアップすること間違いなし!
ぜひ次回のプロジェクトでは、ヌルオブジェクトを使ってみてください。
見えないけれど作品の“芯”になる、そんな司令塔がきっとあなたの創作をもっと自由に、楽しくしてくれるはずです!