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オーディオトラックミキサーとオーディオクリップミキサーの違い
動画編集

[Premiere]オーディオトラックミキサーとオーディオクリップミキサーの違い

ogami

ogami

2025/11/17

1. オーディオトラックミキサーとオーディオクリップミキサーの違い|Adobe Premiere

オーディオトラックミキサーとオーディオクリップミキサー

左がオーディオトラックミキサー/右がオーディオクリップミキサー

Premiere Proで編集に慣れてくると、だんだん「音の扱い」が作品の品質に直結することに気づいてきます。
カット割りは心地よくても、音がチグハグだと “ 素人感 ” が滲んでしまいます。逆に音が自然でバランスが適切だと、視聴者は安心して映像に集中できます。
そして、音の編集で特に重要となるのが 音量(ボリューム)です。

✏️用語メモ:映像編集の現場では “音量(ボリューム)”を“ オーディオレベル ”。さらにMA(音の編集)では簡潔に“ レベル ”と呼ばれます。ポスプロ(動画編集)の現場では、「レベル上げといて。1dB(イチデシベル)ね」という指示が行われますが、“ レベル ”は映像編集のカラコレ時にも使いますので、本記事では一般的に使われている“ 音量 ”で統一します。

そして、“ 音量のコントロール ”に欠かせない機能が “オーディオミキサー” です。Premiereには以下“2つのミキサー” があります。

オーディオトラックミキサートラック全体を調整)
オーディオクリップミキサー
クリップ単位で調整)

動画編集を始めると「トラック」と「クリップ」という言葉に出会いますが、これらの2つの用語に戸惑う方が多いようです。
名前は似ていますが、明確に用途が異なりますので、曖昧な方は、まずトラックとクリップの違いを押さえましょう!

映像編集の重要ワード!必ず知って欲しいトラックとクリップ

2. 各クリップの音を調整する|オーディオクリップミキサー

オーディオクリップミキサーは、選択中のクリップ単体に対してレベルやパンを調整するパネルです。
音声では感情の抑揚でも大きく音量が変わるので、音量を細かく調整したいときに便利です。具体的には

1️⃣ 声が小さいクリップだけレベルを上げる
2️⃣ ワンポイントの効果音のパンを右に振る
3️⃣ ピークレベルが高くなりやすい拍手や笑い声のピークを抑える

といった“ 音のピンポイント調整 ”でとても役立ちます。

クリップを分割して、その部分だけ処理する——現場ではよくある小技です。ただし、これを大量に行うと膨大な時間と集中力が必要になります。
クリップミキサーは“仕上げの道具”として、次項で解説する“オーディオトラックミキサー”メインとした方が、編集効率が上がります。

3. トラックの音を調整する|オーディオトラックミキサー

一方のオーディオトラックミキサーは、タイムラインのトラック全体の音量とパン(左右の定位)を調整するパネルです。
フェーダーを上下に動かせば、そのトラックにあるすべてのオーディオクリップに反映されます。

以下のような手順で調整を行います。

1️⃣ BGMトラック全体を一旦 -12dB(マイナス12デジル)にしておく
2️⃣ 効果音を専用のトラックに追加して音量を調整
3️⃣ 音声トラックの音量を調整
4️⃣ 各トラックの左右のバランスを調整
5️⃣ オーディオレベル全体のピークが-6dB前後になるように調整する

こんな感じが基本ですが、「難しい…」と感じた方は「全体が-6dBになるようにBGM全体の音量を下げて、音声を目立たせた方が良いらしい。」と覚えておきましょう!

4. プロの考え方はまず全体、次に細部

テレビ番組や映画のMA工程でも同じです。

1️⃣ トラック単位で全体バランスを作る
2️⃣ 必要な部分だけクリップ単位で補正する

Premiere Proでもこの流れが最も効率的です。最初から全クリップを個別にさわるのは、料理でいえば調味料をひと粒ずつ並べるようなものです。

全体の味付けトラック)そのあと仕上げのひと手間クリップ)」

このイメージを忘れないでください。

5. まとめ|2つのミキサーを使い分けよう

 
音は“見えない主役”。レベルを丁寧に整えるだけで、映像は一段とプロの質感に近づきます。
1️⃣ オーディオトラックミキサー:トラック全体を整える(レベル/パン、オートメーション、統一感)
2️⃣ オーディオクリップミキサー:個別クリップの差を補正(録音ムラや効果音の演出)

「まずトラック、最後にクリップ」この流れを意識してみてください。

プロがどのように音のバランスをとっているのか知りたい。」そんな方は、お気軽に STUDIO USの無料個別相談 にご参加ください。 STUDIO USでは皆さんと同じ悩みを抱え、それを乗り越えてきたプロ講師や先輩方に気軽に相談できる環境があります。

この記事を書いた人

ogami

ogami

STUDIO US講師。映画撮影→映像制作会社を経てiPhone元年にIT企業に転身しアプリ開発PMを担当。音響・モバイル・ITに明るいフリーの動画制作者。

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