前回の記事をお読みになっていない方は、まずこちらの記事をお読みいただくことをお勧めします。
クリエイターの営業術|3つの勘違い
前回ご紹介した3つの誤解を学んでいただいた方は、実際にメールのテンプレートを作成しましょう。
ポイントは後半にお伝えしますので、まずは実際に私が普段から使用している営業メールのテンプレートをご覧ください。
1. 普段使用している営業メール(テンプレ)
〇〇株式会社
[ 部署名とご担当者様のお名前 ](ご担当者名が不明な場合は「ご担当者様」)
突然のご連絡失礼いたします。
フリーランスで動画クリエイターとして活動しております、[ お名前 ]と申します。
貴社の△△[ 商品/WEBサイト/SNS等 ]を拝見し、[ 製品名やサービス名 ]の[ 感銘を受けたポイント ]に強く惹かれました。
この魅力をより多くの潜在顧客へ届けるため、動画を活用した訴求でお役に立てるのではないかと考え、ご連絡いたしました。
私は2000年より映像制作に携わり、現在は動画編集を中心に活動しています。
これまでに[ 先方のジャンル ]の映像制作も多数手がけてまいりました。( ◁ 経験がなければ書かなくて大丈夫です )
▼ポートフォリオ
[ あなたのポートフォリオURL ]( ◁ 必須です )
また、以前はIT業界でWebサイトやアプリ開発にも関わっておりました。
そのため、WebやSNSでの配信を前提とした動画の企画・構成を、技術面も含めてご提案できます。( ◁ 過去の経歴が活かせれば。なければ書かなくて大丈夫です )
もし貴社にて
・製品・サービスの認知度をさらに高めたい
・Webサイトからの問い合わせを増やしたい
・SNSでのエンゲージメントを強化したい
といった課題がございましたら、ぜひ一度お話を伺えれば幸いです。
お忙しいところ恐縮ですが、ご興味をお持ちいただけましたら、このメールにご返信いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
―――――――――――
[ 動画クリエイター/ビデオグラファー ]
[ お名前 ]
TEL: 090-xxxx-xxxx
Mail: contact@xxxx.com
―――――――――――
相手の会社を表す敬語は「御社」でも問題ありませんが、営業メールでは「貴社」が無難です。また、一般企業以外は「貴社」や「御社」は使いませんので、ご注意ください。以下の敬称を使いましょう。
🏢 市役所や区役所などの役所:「御所」「貴所」
🏫 学校や学校法人:「御校」「貴校」
🏛️ 社団法人、財団法人、社会福祉法人、NPO法人:「御法人」「貴法人」
2. 営業メールのポイント
初回のメールで必要な情報は以下の6です。
1️⃣ 相手のサービスや商品、過去事例に感銘を受けたことを伝える
2️⃣ 「ご提案」という形で明確に目的を伝える
3️⃣ 売り込まない姿勢 → 「買ってほしい」ではなく「課題を一緒に考えたい」というスタンス
4️⃣ 心理的ハードルを下げる → 「まずは話を聞かせてほしい」とし、ヒアリングのみを目的とする
5️⃣ 自身の強みを具体的に明示する
6️⃣ 自身のポートフォリオサイトやYouTubeのURL(最後に連絡先)
そして、より相手の立場を配慮するのであれば、少しでも相手の時間を奪わないように、簡潔な文面であればあるほど望ましいです。
実際、私は上記のメール文をMAXとして、そこから半分程度にまで短くすることも珍しくありません。
3. まとめ
営業メールは「相手に負担をかけない配慮」と「信頼を積み上げる工夫」の積み重ねです。
一方的に売り込むよりも、「御社の強みを理解したうえで、一緒に価値を広げるための話がしたい」という姿勢をしっかり伝えることで、相手は安心して返信できます。また、メールは短ければ短いほど読まれやすくなります。
今回ご紹介した6つの要素をすべて盛り込む必要はなく、相手や状況に応じて半分に削っても十分です。大切なのは「読む側にとって親切であるかどうか」です。
営業メールのゴールは「返信をいただくこと」であり、契約をその場で決めることではありません。
最初の一通は、相手との関係をスタートさせる“きっかけづくり”を目的とすることで、気持ちが楽になりますし、文面も明確になります。