特定のレイヤーだけ色を変えたいとき、どうしてますか?
Premiereで、特定のクリップだけ色を変えたいとき。調整レイヤーは使わずに、そのクリップにエフェクトを直接載せますよね。調整レイヤーだと、下のクリップが全部変わってしまうからです。Photoshopでも同じ場面があります。前回の「調整レイヤー」は、置いた場所より下のレイヤーすべてに効きます。便利な反面、「この文字だけ色を変えたい」ときには効きすぎてしまいます。
そこで使うのが「クリッピングマスク」です。働きをひと言でいうと、上のレイヤーを、すぐ下のレイヤーの形の中だけに表示する機能です。今回はこれを2つの使い方で紹介します。
使い方①:調整レイヤーを「すぐ下のレイヤーだけ」に効かせる
① 効かせたいレイヤーの「すぐ上」に調整レイヤーを作る
まず、レイヤーパネルで色を変えたいレイヤーをクリックして選びます。その状態で、前回と同じ半分が黒く塗られた丸のアイコンから「トーンカーブ」を選びます。調整レイヤーは、選んだレイヤーのすぐ上にできます。
サンプル動画では、テキスト(CITY POP)と背景の色が一緒に変わっていることにご注目ください。この時点では、まだ下のレイヤーすべてに効いています。ここから、効く範囲を絞ります。
② プロパティパネル下の「クリップ」ボタンを押す
プロパティパネルのいちばん下に、四角に下向きの矢印がついたアイコンがあります。これをクリックすると、調整レイヤーが少し右にずれて、左に小さな下向きの矢印が付きます。これで調整レイヤーがすぐ下のレイヤーだけに効くようになり、テキスト(CITY POP)にだけトーンカーブが適用されます。
🔍ほかに2つの方法があります
・調整レイヤーを右クリック>「クリッピングマスクを作成」
どれを使っても結果は同じです。Alt+クリックは、調整レイヤー以外にも使えるので覚えておくと便利です。
使い分けとしては、前回紹介した「まとめてかける」が原則で、今回のクリッピングマスクは例外です。
まずは全体を調整レイヤーで揃えて、色が浮いているレイヤーだけをクリッピングマスクで直す。この順番で使うと、色の調整がぐっと楽になります。
使い方②:文字の中に写真をはめ込む
クリッピングマスクは、調整レイヤー専用の機能ではありません。写真を文字の形で切り取ることにも使えます。バナーやタイトル画像でよく見る、あのデザインです。
① 文字を打ち、そのすぐ上に写真を置く
文字ツールで文字を打ちます。はめ込む写真が見えやすいように、極太のゴシック体で、大きめのサイズにするのがコツです。
次に、はめ込みたい写真を読み込み、レイヤーパネルでテキストレイヤーのすぐ上に置きます。この時点では、写真が文字を覆い隠していて問題ありません。
② 境目を Alt+クリック
写真のレイヤーとテキストレイヤーの境目にマウスを乗せて、Alt(Mac:Option)を押しながらクリックします。すると、写真が文字の形の中にだけ表示されます。
そのあと、写真のレイヤーを選んで移動ツールで動かすと、文字の中に見える部分を調整できます。文字も写真も元のままなので、文字を打ち直しても、写真を差し替えても、はめ込みは保たれます。
やりがちな失敗:上下を逆に置いてしまう
クリッピングマスクがうまくいかない原因は、ほとんどがレイヤーの順番です。ルールは1つだけ覚えてください。
・使い方①:テキストが下、調整レイヤーが上
・使い方②:文字が下、写真が上
とくに注意したいのが、Premiereのトラックマットキーに慣れている人です。トラックマットキーは、形になるクリップを上のトラックに置きます。Photoshopのクリッピングマスクはその逆で、形になるレイヤーが下です。「別のものの形で切り抜く」という考え方は同じでも、上下が逆になる点に気をつけましょう。
間違えたときは、もう一度同じ境目をAlt+クリックすれば解除できます。どちらのレイヤーも壊れないので、何度でもやり直せます。
まとめ:クリッピングマスクは「すぐ下の形を借りる」機能
クリッピングマスクは、上のレイヤーを、すぐ下のレイヤーの形の中だけに表示する機能です。調整レイヤーに使えば「特定のレイヤーだけ補正」、写真に使えば「文字の中にはめ込み」。仕組みは1つで、使い道は2つです。
次回は、同じ「マスク」でも考え方が異なる「レイヤーマスク」を紹介します。クリッピングマスクが「ほかのレイヤーの形を借りる」のに対して、レイヤーマスクは見せる部分と隠す部分を自分で塗って決める機能です。お楽しみに!
前回の記事はコチラからどうぞ!
写真の色は「調整レイヤー」でまとめて統一!|動画編集者のためのPS入門 #5



